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カウンセライダー日並のこみコミ通信

第17回 漢(おとこ)として

「漢」を「おとこ」と読むのは時代小説か、一部の少年漫画くらいかと思っていました。少年院の見学に行った時に、1時間ほどのキャリアの講義があり、そこに同席させていただきました。講義が終わってふと部屋の後ろのガラスを見ると、「人として 漢として」という書き出しで始まる詩のようなものが貼り出してありました。
見学の中で最も気になったことだったので施設の方に質問すると、「ここの子たちはこういうのが好きなんです」ということでした。私が日常的に会う若者からは、全く聞いたことがないので、そんな若者が居ることに驚くと同時に安心もしました。

漢(おとこ)という言い方は、生物学上の雄個体であるというような意味よりは寧ろ、勇猛さ、大胆さ、潔さ、堅い信念など、古来より男たるものが持つべきとされている美徳を備えている男前に対して贈られる称号である。
と言うような解釈がなされています。

私は「男らしい」ことはとても大事だと思っています。現代は、男らしさとか女らしさとかは、言ってはいけないような風潮ですが、こんな不確かな先の見えない時代には必要なことだと思っています。
ここに収容されている彼らが、「漢」をどう解釈しているかは直接聞けませんでしたが、もしかしたら一面だけを都合よく解釈しているだけなのかもしれません。
正しく教える必要があると思いますし、ちゃんと理解してくれたなら二度と過ちは犯さないと思います。

講義はグループワーク形式でしたが、講師の進め方が上手いこともあり、発言も活発で、積極的に意見を出し合い、発表も難なくこなしていました。この1時間だけを見ると、普通の学校生活という感がしました。そもそも少年院はトレーニング・スクールなので、全寮制の学校のような雰囲気があるんですね。

「漢」になるために重要なことのひとつは仕事です。一人前に仕事が出来るようになるまでの苦労を乗り越え、仕事を教える立場になり人を育て、様々な人との関わりの中で自分を強くし、誰かの役に立てるのはまさしく「漢」です。

仕事で自分を磨いて、本物の漢になってくれたらいいなあと思いました。