6月から始めた受刑者の就労支援は、11月から本格稼働し、すでに数十社の企業から問い合わせがあります。テレビや新聞に紹介されたことで、直接訪ねてきてくださる企業もあります。マスコミの力は大きいですね。反応がいいのは慢性的に人手不足の業界ですが、受刑者と分かった上で雇ってくれるのは本当にありがたいことです。どこまで就職者数が伸びるかはわかりませんが、少なくともニーズがあることはわかりましたし、既に求人票を刑務所や少年院に出してくれた企業もあります。
マスコミに頼るだけでなく独自でも求人開拓を進めています。建設・介護・運輸・飲食が人手不足な4業種ですので、その中で受刑者が続けて働けそうないい会社に目星をつけて訪問しています。採用してもらうことは重要ですが、そこで仕事を続けられるかはもっと重要です。そのためには本人の努力が一番必要ですが、それを認めてくれてちゃんと評価してくれる環境が必要不可欠です。
今は一般の就職支援でも定着に力を入れています。企業にとっても採用した人が定着して活躍してくれることは、次の採用に繋がることになり、大きなメリットになります。人が定着しない会社は、いつまでたっても人手が不足したままで社員に余裕がなく、働く環境を整備することもできません。社員に余裕がないことが辞める原因にもなります。いわゆる負の連鎖ですね。長く働ける会社は自分の人生設計ができる会社です。特に受刑者は人生設計が狂ってしまった状態なので、長く安心して働ける環境が必要です。
受刑者の就労支援を目的として作られた組織なので、定着のために企業を支援することは難しいかもしれませんが、1人でも多くの人を少しでも長く働けるようにしていきたいと思っています。次年度も私がこの仕事に関われるかどうかは定かではありませんが・・・。
今年のこみコミ通信は今回が最終号となります。2月から毎月2回原稿を書いてきましたが何とかここまでたどり着きました。今年は新しい仕事を2つも始めることができたので良い1年だったと思います。
年々、昔の正月らしさはなくなってきましたが、もしかしたら新しい正月のスタイルができつつあるのかもしれませんね。とにかく今年もあとわずか、どうか良いお正月をお迎えください。
ではまた来年。