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薬学×付箋ノートBOOK著者 くるみぱんの薬学ノートと日常メモ

第6回 「基礎的医薬品とは」

私は薬剤師として働き出してから初めて「基礎的医薬品」という分類を知りました。単に私の勉強不足でないとしたら、薬剤師国家試験の勉強では学ぶことのなかった言葉です。
これはどのような医薬品が該当するのか、注意点などについて調べてまとめてみました。

■基礎的医薬品とは

基礎的医薬品とは平成28年度薬価制度改革から導入された概念で、長期間にわたり薬価収載されており、臨床上の必要性が高い医薬品について安定供給を確保するために薬価を維持することとされています。

具体的な要件としては

  • ①  薬価収載25年以上かつ成分・銘柄の乖離率が平均以下
  • ②  一般的なガイドラインに記載され、広く医療機関で使用されている
  • ③  過去の不採算品再算定品目、ならびに古くから医療の基盤となっている病原生物に対する医薬品、医療用麻薬、生薬、軟膏基材および歯科用局所麻酔剤

以上のすべてに該当することとされています。

平成28年度の導入当初は134成分が対象でしたが、そこから徐々に増加し、令和3年4月1日から適応される令和3年度薬価基準改定においては306成分が対象となっています。対象医薬品一覧は厚生労働省のサイトで見ることができます。

■基礎的医薬品の取り扱い

基礎的医薬品のうち基礎的医薬品に指定される以前は後発医薬品であった品目については変更調剤が可能です。逆に、指定される以前に先発医薬品に分類されていたものは疑義照会なしに変更することはできません。つまり、基礎的医薬品A(元先発品)から基礎的医薬品B(元後発品)への変更は可能ですが、BからAへの変更調剤はできないということです。なお、一般名で処方されていた場合は、AもしくはBどちらで調剤しても構いません。

また、基礎的医薬品は先発品でも後発品でもない医薬品となり、後発医薬品調剤体制加算に関わる後発品置換率の計算からは除外されます。そのため元先発品であるAから元後発品のBに変更したとしても後発品置換率が上がることはありません。

基礎的医薬品の取り扱い

今回は、基礎的医薬品について色々と調べてみました。
誤った変更調剤をしたり、余分な在庫を抱えてしまったりすることのないように、薬価改定の際は対象となる医薬品やルールについて最新の情報を知ることが大事だなと感じました!