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薬学×付箋ノートBOOK著者 くるみぱんの薬学ノートと日常メモ

第8回 「公費について② 12生活保護法」

公費について学ぶ第2回目です。前回の54難病法に引き続き、今回は生活保護法による医療扶助について復習しました。

■公費番号12 生活保護法

国が生活に困窮する全ての国民対して、その最低限度の生活を保障するとともに、自立を助けることを目的とされた制度です。医療扶助の給付範囲は、最低限度の生活を保証するうえで医療上不可欠のものに限られ、それを上回る範囲については認められていません。

公費番号12 生活保護法

この公費では全ての疾病が助成の対象となります。医療費の全額が公費で負担されますが、他の法令等による給付がある場合にはその給付が優先されます。例えば、12(生活保護)と21(自立支援)を併用した場合、まず21により10%の自己負担となり、その10%が12を持っていると上限0円となります。なお、保険外併用療養費に係るものは原則として適用されません。
また、平成30年10月1日より後発医薬品を使用できると判断された場合は、原則として後発医薬品を給付することとされています。例外として先発医薬品で調剤できるのは、画像に書いた通りの場合です。先発医薬品で調剤した場合は、情報提供できるようにその理由を記録しておくと良いです。

公費番号54

実際に公費を適応する場合の流れを確認してみます。

  • ①  医療扶助を受けたい者が福祉事務所に申請する
  • ②  福祉事務所から医療の必要性が認められた場合は医療券、調剤券が発行される
  • ③  患者が医療券、調剤券を持参して医療機関へ
  • ④  医療券、調剤券の内容を確認して医療を提供
  • ⑤  支払基金に請求を行う

一般的な流れは上記のようになっていますが、調剤薬局で働いていて患者さんが実際に調剤券を持ってくることは非常に稀なことです。ほとんどの場合は同じ指定医療機関に通っており、患者さんは何も持たずにいらっしゃるので、医療機関から福祉事務所に連絡し、調剤券を直接医療機関に送付してもらいます。

今回は公費番号12の生活保護について復習しました。皆さんの学びのきっかけになれば嬉しいです。