薬剤師のための心と身体のスタイル提案マガジン ファーストネットマガジン

薬学×付箋ノートBOOK著者 くるみぱんの薬学ノートと日常メモ

第9回 「高血圧と熱中症対策」

暑い日が増えてきて、身体が暑さに慣れていないこの時期、熱中症に注意が必要ですね。ということで、今回は熱中症に関したノートを書きました!

高血圧と熱中症対策

熱中症の対策として、水分補給だけでなく塩分補給も重要であることは一般の方にも広く知れ渡っていることだと思います。
まず、塩分も必要な理由についておさらいします。汗をかき、水分とともにナトリウムも出て行ったところに水だけを飲むと体液濃度が下がります。すると、これ以上濃度を下げないように喉の渇きを感じなくなり、水分を出すために尿を出す方向に身体が働きます。こうなると体液量が減り、熱中症の原因となってしまいます。そのため、長時間の労働やスポーツで大量に汗をかくときは、屋内屋外を問わずスポーツドリンクなどで水分と塩分を補給することが大切です。

一方で、仕事の形態や生活習慣によって汗をかくようなことが少ないという場合にスポーツドリンクや塩タブレットなどで積極的に塩分を摂ってしまうと、塩分が過剰になってしまいます。なぜなら、日本人は通常の食事で塩分をたくさん摂っているからです。そのため、水やお茶をこまめに飲むようにすることが大切です。環境省の熱中症環境保険マニュアルでは食事に含まれる水分を除き、1日1.2Lを飲料として摂取することが勧められています。

高血圧で塩分制限しているときはどうしたらいい?

では、本題の高血圧の場合の熱中症対策についてです。
高血圧の患者は1日の食塩摂取量を6.0g未満にするよう推奨されています。日本高血圧学会減塩委員会では、原則として夏でも適切な減塩を必要としています。発汗が多い場合には、水分とともに少量の塩分を補給することが望ましいですが、通常の食事で塩分を摂っている場合に意識的に塩分を増やす必要はありません。日頃から減塩している場合はかかりつけ医に相談することが望ましいでしょう。

これからますます暑くなってきます。水分塩分補給だけでなく、エアコンや冷却グッズをうまく使用し、十分な睡眠をとり、丈夫な体を作って夏を乗り越えたいですね!