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スポーツファーマシスト活動報告

第6回 2016年私のスポーツファーマシスト活動

数か月間、ドーピングやスポーツファーマシストについて記載してきましたが、どのくらいの方が興味を持ってくださったでしょうか?薬剤師さんの中には、スポーツファーマシストが何なのかまだ知らない方も多く、検査員だと思っている方も多いようですが、スポーツファーマシストと検査員は全く異なります。

私には資格や活動場所によって様々な立場があります。日本水泳連盟や薬剤師会、中央大学ではスポーツファーマシストとしてアンチ・ドーピング啓蒙活動や薬・サプリメントなどの質問受付を行い、そのほかの競技団体へはDCO(ドーピングコントロールオフィサー:ドーピング検査員)として関わっています。再度確認として、スポーツファーマシストは尿検査や血液検査を行う資格ではありません。尿検査や血液検査を行う資格はDCOという資格が必要です。※採血を行う資格はBCO(ブラッドコレクションオフィサー)という別の資格があります。

スポーツファーマシストはアスリートがドーピング違反にならないように、事前に教育を行い、薬やサプリメントなどの質問を受付けつけることが主な仕事です。
私がスポーツファーマシストとして行っていることは、
①メールやLINEを使用し、薬やサプリメントなどの質問受付を行うこと
②競技会会場にてアンチ・ドーピングのブースで啓蒙活動や質問受付を行うこと
③コーチ研修会でコーチに対しアンチ・ドーピングの講習を行うこと
④合宿でアスリートに対しアンチ・ドーピングの講習を行うこと
⑤救急箱に禁止物質を含むものがないか確認、医薬品の補充をすること
⑥栄養士さんと協力し、アスリートの体調管理を行うこと
以上が2016年に行ってきた、私のスポーツファーマシストの活動です。

通常は、薬局で勤務しているため、これらの活動は公休日や、有休を使用し、帰宅後に資料作成を行っています。年間を通じて休みはほとんどありませんし、これらの活動は今現在ほぼボランティアの状態です。それゆえ、やりがいのある仕事にもかかわらず、やりたいけれど・・・という薬剤師さんが多いのも現状です。

なぜ薬剤師になったのか。私はアスリートの役に立ちたいという理由が大きいです。このコラムを読んでくださる方々はどうでしょうか?楽な仕事だから?給与が高いから?人の役に立ちたいから?病気の人を救いたいから?
一番大切なことは何でしょうか?きっかけは何でも良いと思います。スポーツに興味を持ち、薬剤師としてスポーツに関わる方が増えていくことを望みます。