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スポーツファーマシスト活動報告

第24回 サプリメントとドーピング

ここ数年、サプリメントによるドーピング違反が増えていることをご存知でしょうか?
平成27年から平成29年のアンチ・ドーピング違反の情報をまとめたものです。(JAD規律パネルなど参照)これを見ると、半数以上がサプリメントによる違反と分かります。

【平成27年】

  競技種目 検出物質、違反内容 制裁内容
ソフトボール サプリメント
(S6.興奮薬)
・資格停止 8ヶ月間
パワーリフティング サプリメント
(S1.蛋白同化薬)
・資格停止 4年間
ボディビル サプリメント
(S1.蛋白同化薬)
・資格停止 8年間
(2度目のため)
陸上競技 市販の風邪薬
(S6.興奮薬)
・資格停止 6ヶ月間
ボディビル 居場所情報義務違反​ ・資格停止 4年間
ボディビル サプリメント
(S6.興奮薬)
・資格停止 2年間
パワーリフティング 海外の医薬品
(S1.蛋白同化薬)
・資格停止 4年間
ボディビル サプリメント
(S6.興奮薬)
・資格停止 2年間

【平成28年】

  競技種目 検出物質、違反内容 制裁内容
1 ボディビル 意図的に摂取
(S1.蛋白同化薬)
・資格停止 3年9ヶ月
2 ボディビル 意図的に摂取
(S1.蛋白同化薬)
・資格停止 4年間
3 ボディビル サプリメント
(S1.蛋白同化薬)
・資格停止 4年間
4 フットボール サプリメント
(S6.興奮薬)
・譴責のみ
5 自転車 サプリメント
(S1.蛋白同化薬)
・資格停止 4ヶ月間

【平成29年】

  競技種目 検出物質、違反内容 制裁内容
1 水泳 サプリメント
(S6.興奮薬)
・資格停止 7ヶ月間
2 カヌー サプリメント
(S1.蛋白同化薬)
・競技成績の失効のみ(事例4の被害者)
3 レスリング 病院処方薬
(S6.興奮薬、S1.蛋白同化薬)
・資格停止1年8ヶ月
4 カヌー 他者への禁止物質投与 ・資格停止 8年間 (事例2の加害者)
5 フェンシング 病院処方薬
(TUE手続き不足)
・資格停止1年3ヶ月

サプリメントは、ご存じのとおり医薬品には該当せず、薬機法では食品に該当します。
医薬品は全ての成分を表示する必要がありますが、食品にはありません。

サプリメントの混入割合を示した海外のデータでは、15-30%で成分表示以外の禁止物質が混入していることが、調査で分かっています。
リスクの高いサプリメントは,アメリカ合衆国アンチ・ドーピング機構(USADA)の「Sapplement 411」に詳しく出ています。https://www.usada.org/substances/supplement-411/
メールアドレスを登録すると、内容を閲覧できます。

また、JADAのサプリメント認証プログラムはなくなります。
サプリメント認証ガイドラインがJADAより発表されていますので、サプリメントの質問はこちらの2点、生産施設審査・製品分析がクリアされているかどうかがポイントになってくると思いますので、参考にしてください。
https://www.playtruejapan.org/jada/s-guideline.html