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M&Aの成功例 受け継ぐ薬局のバトン

M&Aの成功例 受け継ぐ薬局のバトン

森永 雄二さん/株式会社エール(オレガノ薬局)代表取締役 薬剤師

森永 雄二さん/株式会社エール(オレガノ薬局)代表取締役 薬剤師

2019年11月 当時勤務していた法人からの暖簾分けにより三木市で「新生薬局」を独立開業
2022年1月 2店舗目を加東市でM&Aにて譲受し「オレガノ薬局」を開局

M&Aが盛んな昨今の薬局業界。
今後も業界再編の動きが加速していくものとみられ、薬局の生き残りを図るために、
M&Aは今後の経営戦略を考えるうえで重要な選択肢の一つです。
今回はユニヴのサービスを利用して店舗の買収に成功し、店舗を拡大した経営者の例を紹介します。
どんな想いで、どんな店舗を選ばれたのでしょうか?

―今回2店舗目の展開でユニヴの仲介サービスをご利用いただきましたが、独立したいと思ったきっかけについて教えてください。

今まで約30店舗規模の薬局で役員を務め薬局の運営管理や新規出店に関わる仕事をしていましたが、ちょうど55歳を契機にチェーン薬局とは違った、個人の薬局でしかできないことをしたいと思い独立を考えました。
また、一人薬剤師の経営者を支援したいという想いもあり、自分で薬局を運営しつつ今までの経験を活かし、個人薬局を応援するような仕事もしたいと思いました。

1店舗目の出店は耳鼻科の門前でしたが、開業直後に新型コロナウイルス感染症が広がり、売り上げにかなりの影響がありました。元々店舗を広げるつもりはなかったのですが、そういう事情があってもう少し基盤となる収入が必要だと思い、2店舗目を検討し始めました。
当店は、ちょうどその頃にユニヴさんからお話を頂いた店舗です。ユニヴさんとは以前勤めていた会社で人事をしていたときからのお付き合いでした。フットワークが軽くお話を頂いてから譲受に至るまでさまざまなことにすぐ対応してくださったので良かったです。

 

―譲受を前向きに検討したポイントはどういうところでしたか?

門前の病院がリウマチや整形外科の専門としてとても有名な病院で、ここならコロナの影響も少なく、既存店舗から30分で通えるエリアというのも丁度良いと感じて譲受の意思をお伝えしました。また、私自身田舎が好きで、都会よりも過疎化が進むような地域で地域医療の役に立ちたいという想いがあったのも、この土地を選んだポイントでした。
例え売上が下がったとしても、地域になくてはならない薬局を作りたいと思っています。

「オレガノ薬局」店名の由来
オレガノ(ハーブ)の花言葉
「あなたの苦痛を取り除きます」「自然の恵み」「輝き」「富」「財産」
少しでも患者様の苦痛を取り除けるような、またさまざまな面でお役に立てるような
存在になりたいという想いを込めました。

 

―門前の病院前には敷地内薬局もあります。こちらは懸念材料の一つになったと思いますが、いかがでしたか?

おっしゃる通り、敷地内薬局があるので譲受を前向きに検討しない方は多かったのだと思います。対門前病院だけなら確かに厳しいと思うのですが、この辺りは他のクリニックからも処方せんが来ていることもあり、在宅もやっていくことができれば地域に密着することができる、まだまだやりがいのある薬局にしていける可能性を感じたので決断しました。

 

―薬局譲受にあたって苦労したことはありましたか?

ユニヴさんからM&Aするときに使える事業承継補助金があることを教えてもらい申請することにしたのですが、それについてはわからないことも多かったので妻が調べるのに苦労していました。それ以外は承継元であるなの花西日本様が協力してくださったのでスムーズに譲受できました。

ハード面では、1月1日の譲渡のところギリギリの12月27日まで先方が運営されていたので、急いで店内を改装したことが大変でした。もちろん年末年始は休みなく、毎日薬局に来て店内を整理しました。なるべく経費を抑えるために自分たちで内装テープを綺麗に張り替え、2月には外装も塗り替えました。大変でしたが、患者さんにも「綺麗になったね」と言っていただけているので良かったです。

 

―店舗をリニューアルしたこと以外に新たに取り組まれていることや工夫されていることがあれば教えてください。

京都や大阪、神戸、姫路などの都市部から来られている患者さんも多くいらっしゃいます。せっかく遠くまで来てもらっているので地場のものに触れていただきたくて、店頭には地産の野菜や地元のパン屋さんのパンを置いています。ささやかですが、加東市の活性にもなればという気持ちです。

あとは、自宅にある本を持ってきて無料で貸し出しをしています。毎回借りられる方もいるので、リピーター確保にも繋がっていますよ。三木の店舗も同じ取り組みをしています。患者さんに喜んでもらえるものはどんなことだろうと日々思案しています。

チェーン薬局の運営だとどうしても採算重視で直接的な数字に表れないところは二の次になってしまうと思うのですが、せっかく患者さんが当店を選んで来てくださっているので、できる限り心地の良い空間にして、来て良かったと思ってもらえる薬局にしたいと思っています。敷地内薬局は病院に近いですし店舗も新しいのですが、一度当店に来てもらう機会があればリピートしていただけるように今後もいろいろ工夫していきたいです。

業務面では、クリニックや施設、訪問看護ステーションを営業訪問しています。薬の無料配達や薬の整理も対応可能とPRしているおかげか、以前よりも門前以外の医療機関からの患者さんが少しずつ増えてきているように感じます。
なの花西日本様運営の折からの患者様で、他の医療機関の処方せんも当店に持ってきてくださることも増えています。
最近では在宅に力を入れているドクターと知り合うことができたので、
これから当薬局でも在宅の対応をしていきたいですね。

 

―最後に、森永さんの今後のビジョンを教えてください。

かかりつけ薬局としてどの医療機関にかかっても処方せんを持ってきてもらえるような薬局に育てていくことのほか、冒頭に話した、個人薬局の人的支援により力を入れていきたいと思っています。
例えば、一人薬剤師の出産期間の店舗管理にヘルプで対応したり、体調が悪いときに代わりに勤務したりするイメージです。
今だと、自分がコロナにり患してしまったらどうしようと心配される方も多いと思いますので、そういう万が一の事態にフォローに入れるようになりたいです。

また、開業手続きのお手伝いも検討しています。
保健所や厚生局の手続きはある程度自分でやるに越したことはないのですが、どうしても手が回らないときにフォローやアドバイスをしていきたいと思っています。一人で頑張る薬剤師経営者の方が少しでも安心できるようにバックアップしていきたいです。

現在一人薬剤師で頑張っていらっしゃる方、これから独立をお考えの方、ぜひ一緒に頑張っていきましょう。いつでも当店へ見学にいらしてください。

 

 

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