薬剤師のための心と身体のスタイル提案マガジン ファーストネットマガジン

記事一覧

黒川眞妃子先生の薬膳レシピ

かんたん薬膳 うまうまレシピ「里芋グラタン塩麴風味」

黒川 眞妃子氏

黒川 眞妃子氏

資格:
国際中医師、国際中医薬膳管理師、国際薬膳調理師、中医薬膳指導士、食育インストラクターSecond Grade

執筆:
大阪人「祭りのときの食養生」、フェリエ「キッチンからのラブレター」連載、ママ育コラム連載、「お出かけ帖」料理ページ担当など多数。

メディア情報:
TV:朝日放送 おはよう朝日です/ 大阪テレビ なにしょ
ラジオ:原田伸郎 のびのび金曜日

おばんざい料理店経営のち、国際中医薬膳管理師、国際薬膳調理師を経て国際中医師に。現在医療学院薬膳講師の傍ら「関西薬膳びと」「国際ウェルネス薬膳協会」を立ち上げ市民大学講座、鍼灸学院薬膳セミナー、企業様薬膳研修セミナーや薬膳調理実習会、産科病院での産前、産後食セミナー、幼稚園での薬膳給食献立。その他飲食店 薬膳メニュー開発、薬膳コラム執筆など。 食べることは生きること・・・食卓に昇る「おばんざい薬膳」普及に奮闘中。

材料(2~3人分)

・里芋(正味) 200g
・鶏ミンチ 100g
・玉ねぎ 1個
・マッシュルーム 100g
・しめじ 100g
・調整豆乳 400㏄
・とろけるチーズ 20g
・小麦粉 大さじ2
・バター 20g
・塩麹 大さじ1と1/2
・パン粉、パセリ 少々
・塩、胡椒 少々
・サラダ油 少々

作り方

里芋は皮をむいて食べやすい大きさに切り、耐熱皿に入れてラップを被せ、600Wのレンジで柔らかくなるまで3~4分加熱する。玉ねぎは薄くスライスする。
マッシュルームとしめじは食べやすい大きさに切る。

 

フライパンにサラダ油少々を熱し、玉ねぎを入れて弱火~中火で焦げないように炒め、玉ねぎが半透明になったら鶏ミンチ、マッシュルーム、しめじを入れて炒める。

 

②のマッシュルームとしめじがしんなりしたらバター、里芋を入れてザクっと混ぜ、次に小麦粉を振り入れて粉っぽさがなくなるまで炒める。

③に豆乳を少しずつ加えながら混ぜ合わせ、塩麹、塩、胡椒で味を整え3分ほど混ぜながら煮る。

 

④を耐熱容器に分け入れ、チーズ、パン粉を散らし、オープントースターまたは魚焼きグリルでチーズがこんがりするまで焼き、パセリを散らす。

 

効能

胃腸機能や免疫力を高める里芋と体の乾燥を潤す豆乳やチーズを合わせ、空気の乾燥する秋に嬉しい一品です。

 

「穏やかな食材。里芋」

里芋の原産地は、インド東部地方からインドシナ半島あたりという説が有力です。


日本へは中国を経て縄文時代に伝わったとされ、稲作が始まる前の焼き畑農業の中心作物であり主食の役割を果たしていたと考えられています。
美しい月を見ながら豊作の喜びを感謝する「中秋の名月」は、秋の収穫物の里芋をお供えする風習もあることから別名「芋名月」と呼ばれています。

 

これも米が主食となる以前は里芋などの芋類が主食だった名残のようです。
また、里芋は親芋のまわりに子芋、さらに孫芋、ひ孫芋と1つの種芋からたくさんの芋ができることから子孫繁栄の象徴として縁起が良く、お正月のお雑煮に入れる地域もあります。

薬膳では、里芋は体を温めも冷やしもしない穏やかな性質を持つ食材です。
胃腸を丈夫にし、消化吸収機能を高めることで、胃腸機能の弱りでの便秘や下痢の改善に有効です。体内の余分な水分を除く作用もあり、浮腫みや高血圧予防にも役立ちます。また、里芋のぬめり成分は体内の免疫力を高める嬉しい成分です。

鮮度の良い里芋は表面がしっとりと湿り、縞模様が平行に入っているもの、ずっしりと重く、全体に指で押しても硬いものが良質です。
里芋は土物野菜の中でも鮮度劣化が圧倒的に早いデリケートな野菜で、寒さや乾燥に弱く、また湿気が多すぎてもカビが生えてしまいます。


常温保存するときは、土がついたまま新聞紙で包み、段ボールや紙袋に入れて風通しの良い場所に置きましょう。冷蔵保存なら泥を洗い、1日乾かしてからキッチンぺーパーに包み、ビニール袋に入れて野菜室に入れましょう。

冷凍保存なら皮をむいて軽く塩で揉んで水洗いし、水気を拭きとって冷凍用保存袋に入れて保存しましょう。常温保存、冷凍保存の場合は1ヶ月ほどの保存が可能です。冷蔵保存は1週間が目安です。


里芋は9月あたりから収穫量が増え、多くの品種は秋から冬に旬を迎えます。揚げれば熱々ホクホクと、蒸せばねっとり軟らかく、茹でて潰せばクリーミー。効能含め、この秋はいろんなお料理に里芋を活用してくださいね!