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黒川眞妃子先生の薬膳レシピ

かんたん薬膳 うまうまレシピ「身体ぽかぽか羊粥」

黒川 眞妃子氏

黒川 眞妃子氏

資格:
国際中医師、国際中医薬膳管理師、国際薬膳調理師、中医薬膳指導士、食育インストラクターSecond Grade

執筆:
大阪人「祭りのときの食養生」、フェリエ「キッチンからのラブレター」連載、ママ育コラム連載、「お出かけ帖」料理ページ担当など多数。

メディア情報:
TV:朝日放送 おはよう朝日です/ 大阪テレビ なにしょ
ラジオ:原田伸郎 のびのび金曜日

おばんざい料理店経営のち、国際中医薬膳管理師、国際薬膳調理師を経て国際中医師に。現在医療学院薬膳講師の傍ら「関西薬膳びと」「国際ウェルネス薬膳協会」を立ち上げ市民大学講座、鍼灸学院薬膳セミナー、企業様薬膳研修セミナーや薬膳調理実習会、産科病院での産前、産後食セミナー、幼稚園での薬膳給食献立。その他飲食店 薬膳メニュー開発、薬膳コラム執筆など。 食べることは生きること・・・食卓に昇る「おばんざい薬膳」普及に奮闘中。

材料(2~3人分)

   

・米 1/2合
・ラム肉(薄切り) 100g
・ニンニク 1カケ
・生姜 1.1/2カケ
・白葱 1本
・白菜 1枚
・松の実 大1
・出汁 1000㏄
・塩、胡椒 少々 
・クミン、パクチー 少々

作り方

 

米は30分ほど水に浸して水気を切る。
 ニンニク、生姜は薄くスライスする。
 白菜は細かく刻む。白葱は1cmほどの斜め切りにする。

 

 

鍋に出汁、米、ニンニク、生姜、白葱、白菜を入れて中火で煮立て、鍋底からザクっと混ぜたら沸々と波打つ程度の弱火で20分煮込む。
(ときどき混ぜ、焦げそうなら水を足す)

 

②にラム肉を加え、さらに10分ほど煮て松の実を加え塩、胡椒で調味する。

 

③を器に注ぎ、クミン、パクチーを散らす。

 

効能

温性の羊肉、生姜、白葱などを組みあわせ、冷えた身体を温める一品です。

 

「冬の身体に羊のススメ」

羊と聞けば北海道の郷土料理「ジンギスカン」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。


羊肉は、宗教的な食のタブーに触れることがあまりない肉のため世界的に見ると牛肉や豚肉より食べられている食用資源です。しかし、もともと野生の羊がいなかった日本においては比較的歴史の浅い食材。明治の初めに羊毛生産のため繁殖用の羊の輸入が始まり、大正7年北海道の滝川市や札幌市に種羊場が設置され、食用としての生産や流通は昭和30年頃からと言われています。


羊肉はヘルシーな食肉として注目されていますが、その秘密はカロリーだけでなく栄養成分にもあります。羊肉の大きな特徴はL-カルニチンが含まれていることです。L-カルニチンは体内での脂肪を燃焼してエネルギーを効果的に生成する働きがあります。
その他、良質たんぱく質、ビタミンB群、ビタミンE、鉄分なども豊富に含まれ、美容や貧血予防にも嬉しい食材です。


羊肉は、成羊肉を「マトン」、生後1年未満の仔羊を「ラム」と呼んでいます。
「マトン」は肉質がしっかりとしていて羊肉独特の臭みやクセがありますが、コクと旨味が強いことが特徴です。一方「ラム」は肉質が柔らかくにおいやクセがないのが特徴です。
最近はスーパーでも羊肉を見かけるようになりましたが、購入後すぐに使わない場合は、使う分量に分けてラップでしっかりと包み冷凍保存するのがお勧めです。


においが苦手な方は脂肪をしっかり取り除き、ハーブや香辛料で味付けをすると良いでしょう。薬膳の考え方では羊肉は身体を温める作用があるとされています。
特に胃腸を温めて冷えからくる腹痛や手足や腰の冷えを改善すると言われています。


夏の暑いとき、熱の症状がある人は多食を控えた方が良いですが、寒さで冷える冬の身体にお勧めの食材です。