薬剤師のための心と身体のスタイル提案マガジン ファーストネットマガジン

記事一覧

コラム

薬局・DS・その他企業の2024年度採用から見る新卒採用戦線

当社が運営する薬学生向け就活サイト「ファーネット」では、数多くの就活イベントを実施しています。盛況だった直近イベントの参加企業様向け事後アンケートから、リアルな新卒採用状況がわかりました。

採用=会社の存続を賭けた重大ミッションと言っても過言ではありません!
競合他社はどんな人材が欲しくてどんな採用活動をしているのか? ポイントもあわせてお伝えします。
ぜひ参考にしてみてください。

【調査概要】

調査対象:2022年11月~2023年2月開催の4イベント

総参加企業数:174社(調剤薬局114社、ドラッグストア41社、その他企業19社)


2024年度採用予定人数について、2023年の採用予定人数と比較していかがですか?

一見、約80%が採用意欲が旺盛に見えますが……ちょっと待った!

実は「前年並み」には、更に前の年(前々年)に新卒採用人数を大幅に減らしたという企業も含まれています。特に大手薬局の地域限定職は採用数を減らしていく傾向にあるため、学生が中小規模の薬局やDSへ流れることが考えられます。

ちなみに最近の薬学生の就活事情は、5月頃から始まり、8月にインターンシップや業界説明会への参加のピークを迎え、年内には一通り情報収集を終える方が増加傾向にあり、年内に選考を設ける薬局も。大手の選考が落ち着く1月中旬以降に選考を始める中小薬局・企業も多いです。

良い人材の確保には、時期を間違えないことが大切です。

 

新卒薬剤師採用の近年の傾向について教えてください

採用のしにくさを感じていると回答した企業は55%に及びましたが、回答の内訳を見ると実は企業規模や業種はあまり関係がないということが判明。前の設問のとおり、学生が中小規模の薬局やDSへ流れる傾向があるため、実は意外にも採用のチャンスは広がっていると言えます。

とはいえ「良い人材の採用がしやすいかどうか」は別問題。良い人材の確保には、コツがあるのです。

 

選考に際して特に重視する点を教えてください(3つまで)

薬剤師業務が対物から対人重視となったことも関係しているためか、学校での成績や薬学的知識・専門性よりも"患者や他職種の人とうまくやっていけるかどうか"という学生自身の素質を重視する傾向に。

特に協調性では、対患者はもちろんのこと自社の職場環境にフィットするかどうかという点も見ている採用担当者が多数です。

 

面接で落とすことになる学生は?

  • 挨拶や基本的なコミュニケーションが苦手
  • ありきたりな回答で自分が無い
  • 条件面のみを重視している
  • 福利厚生志向が強く、薬剤師としての使命感が感じられない
  • 暗い、質問がない、傾聴力がない
  • あきらかに準備不足で臨んでいる
  • 自己評価が高すぎる、他責が強い
  • 時間にルーズ、リクルートバッグではなくリュックで来るなど
  • 笑顔のない方、自分に自信がない方
  • 相手の配慮を当然と受け取る(受動的)
  • 医療人マインドがない など

 

思い当たる採用担当者の方も多いのではないでしょうか? 準備が足りていなかったりアピールポイントを打ち消してしまうような要素のある学生は、しっかりと見極めたいところですね。見極めには、適性検査(性格検査)や対面での面接が有効です。

 

採用したいと思う学生の特徴は?

  • コミュニケーションをしっかり取れる
  • 社風や方針に共感してくれる
  • 自分なりの考えを話す
  • 相手の立場に立って考え行動できる
  • 向上心とチャレンジ精神がある
  • 前向きな考え方ができる
  • 積極性があり、笑顔が素敵
  • チャレンジ精神があり、精神的な自立を感じる
  • 自身で目標を作ってそれを継続できる
  • 地域医療に対して熱い想いを持っている
  • 素直さ、誠実さ、真面目さがある
  • 意欲があり、表情が明るく、誠実で清潔な印象
  • 話し方がしっかりしている
  • 変化を受け入れようとする姿勢を持っている
  • 自分の失敗を受け入れ、考えて仕事ができる など

 

一緒に働くことをを想像したり患者さんと接するシーンを想像したりすると……すべて納得の特徴です!なお、2023年度からの薬学部のカリキュラム変更に伴い、現1年生(2029年卒)はより一層のコミュニケーション能力の向上に取り組んでいます。期待したいですね。

 

面接で見るポイントは?

  • 主体性、コミュニケーション能力、素直さ
  • 詰まってもいいので、自分の考えを言えるかどうか
  • 相手の立場にたって物事を捉え、考えることができるかどうか
  • 他者の意見に耳を傾けることができるかどうか
  • 笑顔、コミュニケーション能力、社交性
  • きちんと目を見て話ができているかどうか
  • 人柄
  • 対応力
  • 考え方や伝え方 など

 

きちんと面接対策をして挑んでくる学生も多いため、よそ行きの回答ではなく彼らの本心や本音を聞き出すことが重要です。そのためには、自社ならではの特徴や取り組みを分かりやすく学生へアピールし、"自社(貴社)でないといけない理由を語れる学生かどうか"を見ましょう。

 

 

WEBの活用状況について教えてください

就活イベント開催方法について希望をすべて選択してください。

コロナ渦ですっかり定着したWEB活用ですが、効率的な採用活動を行ううえで今後もマストなツールと言えるでしょう。
ちなみに、採用活動において学生(※)の希望は約90%がWEBや動画での参加という結果でした。母数の確保はオンラインで行い、本当に採用したい人材の絞り込みは対面でと使い分けるといいですね。

(※)本調査対象となった4イベントへの参加学生298名

 

まとめ

求める人物像はどこも大差なく、ゆえに少子化の影響も相まって魅力的な人材確保の争奪戦が今後も激しくなることが想像されます。

その時々の薬業界の状況から見える学生の就活事情や学生のトレンドを知ることが、有利で効果的な採用活動への近道です。採用情報の適切な露出(時期、使用するツールなど)で自社のアピールポイントを余すことなく学生へ伝えるという具体的な採用活動内容の充実にもつながります。

「ファーネット」でも、法人様の新卒採用でお手伝いさせていただけることが多数ございます。ぜひお気軽にお問い合わせください!

新卒採用に関するお問い合わせはこちら

ファーネット2025への無料掲載をご希望の方はこちら