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宮本社長、教えて! 新卒薬剤師が持つべき 12ヶ月の心構え

5月のアドバイス「ゴールデンウィーク前後に起きやすいこと・気を付けたいこと」

5月になると、少しずつ職場内が見慣れた景色になったり、仕事にも少しずつ慣れてきている頃だと思います。1日の生活リズムも少しずつ整ってきているのではないでしょうか。

連休前後は体調に気を付けて!

4月後半、入社して1か月間の激務を乗り切ったのちに連休に入ると、一気に開放感を感じます。そして連休中は今までの緊張がほぐれ、発散に向かいます。発散することは肉体的、精神的にも大事ですが、連休を境に4月の緊張疲れがどっと出てきます。

必要以上に発散することで余計に疲れがたまり、連休明けの業務が非常に憂鬱になってしまう可能性があります。

●生活リズムを乱さない

連休中、久々に会う友人と話が弾みついつい夜遅くなってしまう、朝は11時過ぎまで寝ている……など、生活のリズムが一気に変わってしまうと、元に戻すことが困難です。そのため連休中の過ごし方としては、遊ぶことも大事ですが体を休めることも大事です。

睡眠を削ることは日中のパフォーマンス低下に繋がるため、夜更かしは厳禁。連休中も普段と起きる時間が大きくずれないようにすることが大切です。

●5月病に要注意!

連休明けの出勤はどうしても憂鬱になります。楽しかった日々から一変して元の生活に戻るため、誰しもが感じることです。

その際、4月のコラムにも書いた挨拶・笑顔・感謝は必ず継続するようにしてください。連休明け最初の出勤で挨拶の声が低い・元気がないなどは、周りの雰囲気を悪くします。学生ではなく、社会人であり仕事ですから、憂鬱だから仕方ないなんてことは許されません。

連休は、社会人生活を一旦学生生活に戻してしまう恐れがあります。そのことに注意しながら、節度をわきまえ社会人としての振る舞いをしていくことが肝要です。

5月はまだまだ学びの月!

5月はまだまだ覚えることが沢山あるため、学ぶ姿勢を継続することが大切です。この時期のさぼり癖は要注意です。

●病気に対して使用される薬を知る

5月になると、薬の商品名と一般名が結びつき、学生の時に学習した作用機序や薬理効果が分かってきます。その後は、病気に対して使用される薬を知ることが大切です。

大学で学んだことは単品で理解することがほとんどですが、実際は相互併用です。1つの薬に対する副作用予防が数種類出ていることも多々あります。

(例1)

一部抗がん剤を使用されている方に保湿クリームが出ていた場合、抗がん剤の副作用による皮膚症状の改善を目的としています。それを乾燥ですか? と患者さんに聞いてしまうと、話が嚙み合わないことがあります。

(例2)

不妊治療が保険適応になり、今まで保険適応外として使用されていた抗がん剤、血糖降下薬、子宮内膜症の薬が保険診療として処方されます。それを患者さんに、癌や糖尿病、子宮内膜症であると説明すれば、患者さんは不安に感じたり、不信に感じることがあります。

●情報収集を心がける

常に医療も変化しています。その変化についていくためにも、常に新しい知識や情報を収集する必要があります。まだ焦ってすることではないですが、「おかしいな」「なぜこの薬が出ているのかな」と疑問に持つことを大切にしてください。1つの疑問から多くのことを知ることができます。疑問に思わなければ、そこで学びは止まります。

なぜ、どうして、といったふうに、自身に疑問を投げかけること、そしてそれを解決していくこと、それはこれからの人生や生活にも非常に有用です。

●分からないことは放置しない

知らないこと、分からないことは放置しない習慣を付けましょう。これは今からでも遅くないので、常に念頭に置いて業務を行うことをお勧めします。

先輩に確認するのも良いですが、自分で調べる方が頭に入りやすいです。時間が許す限り、自分で調べてそれを自分の中で整理することが大切です。「へ~」と終わるのではなく、誰かに説明できるようになるまで理解することが大きな飛躍へと繋がります。

 

これから先、仕事をしていると困難に遭うこともたくさんあります。少しでも身を守るには、経験も大事ですが知識も同様に大事です。「無知は恥じなり」の精神で取り組むことが求められます。