薬剤師のための心と身体のスタイル提案マガジン ファーストネットマガジン

WEB連載

スポーツファーマシスト学習記録

第28回「アンチドーピング教育について」

こんにちは。

スポーツファーマシストのシトロンです。

 

もうすぐ2023年が終わりますね。一年が終わるのが早すぎます。

毎年このセリフを言っている気がしますが…

 

振り返ると、今年は色々な人との繋がりが広がった年だったように思います。

スポーツファーマシストとしてアスリートに関わらず、トレーナーやスポーツ栄養士など様々な立場の方とお話する機会がたくさんありました。薬剤師というコミュニティだけでは触れることのできない意見や考え方に出会い、自分自身も勉強になりました!

 

来年はどんな年になるのか今から楽しみです。

 

 

では本題に移ります。

アンチドーピング教育の必要性

近年、各競技団体がアンチドーピング教育の体制を整える動きが出てきています。トップアスリートだけでなく幅広いレベルのアスリートに教育を行う団体も増えてきています。

しかし実際問題、ドーピング検査の対象になるレベルのアスリートは一握りです。

 

ではどうして幅広いレベルのアスリートにアンチドーピング教育を行う必要があるのでしょうか?

 

 

JADAのレクリエーションレベルアスリート向けのHPにはこんな一文があります。

“スポーツの基盤となる価値を根付かせることにつながります“

(参照:https://www.realchampion.jp/who/recreational.html )

 

スポーツの価値って言われてもなんだかピンときませんって方。

今から一緒に学んでいきましょう!

 

スポーツの価値とは?

まずはご自身の好きなスポーツを思い浮かべてください。

私は元々テニスをやっていたので、今回は例としてテニスを挙げてご説明したいと思います。

テニスで世界一位の選手がいたとします。ものすごく強くて、敵なし状態です。

けれど、実はその人、薬を使って相手のプレーが全て読める超能力を手に入れていました。

…この状況を知ったら、周りの選手はどう思うでしょうか?

 

私ならこう言うと思います。

 

「フェアじゃない!アンフェアだ!」

 

練習しても誰もその選手に勝てない状況が続き、周りの選手達のやる気がどんどん削がれていきます。そんな状況を受けて選手の数もどんどん減っていきます。

 

また、その状況を見たファンの気持ちはどうでしょうか?

純粋に競技を応援することができるでしょうか?

 

 

実際こんな超能力を得られる薬はありません。

けれど、この状態ではよくないなと感じていただけた方がほとんどではないかと思います。

 

アンチドーピングはクリーンでフェアなスポーツの環境を守る、世界共通のルールです。

 

私たちはスポーツを観戦する際、正々堂々と勝負しているアスリートの姿に感動と勇気をもらっています。その環境を守るため、色々なレベルのアスリートにもアンチドーピングについて学んでもらい、それを周りの人達に伝えてほしいと考えています。

 

アンチドーピングを楽しく学ぶ

そんなことを言われてもいまいちイメージがつかない、そんな方もいると思います。

アンチドーピングの話はとっつきづらい、なんて言われたこともあります。

そこで、そんな方でも遊びながら学べるツールをご紹介します。

 

最近色々なカードゲームが販売されていて、私の周りでもブームになっています。

実はアンチドーピングをテーマにしたカードゲームもあるんです。

 

それが「ドーピングガーディアン」です。

(参照:https://www.doping-guardian.com )

 

プレーヤーはアスリートとなり、いかにドーピングをせず大会で優勝できるかというゲームになっています。

 

このゲームの場合禁止物質と知らずに使用してしまううっかりドーピングを避けることをテーマにしています。

実際はもっと複雑なのでこれが全てではないですが、学びの入り口には良いツールなのではないかと思います。

 

年末年始等みんなで集まる際に遊びながらアンチドーピングについて学んでみるのもいかがでしょうか。

 

今回はこれで以上となります。

今年も1年間ありがとうございました。来年もよろしくお願いします。

以上シトロンでした。