スポーツファーマシスト学習記録 |
第29回「ドーピング検査員とは?」
こんにちはシトロンです。
皆様明けましておめでとうございます。本年も宜しくお願い致します。
年明け1回目の記事になります。
私自身この記事を書くことで少しずつ成長できていると感じることがあります。
考えを発信したり記事を書くためにもう一度納得のいくまで調べたり…
今年もたくさんの学びを皆様とシェアできたらと思っております!
頂いた機会を大切に、一回一回丁寧に頑張ります。
では今回の内容に移ります。
昨年末、JADAから数年ぶりにドーピング検査員(DCO:Doping Control Officer養成会参加者)の募集が開始されました。ご存知でしょうか?
「そもそもドーピング検査員って何?」
「どんな仕事をするの?」
そんな疑問の声が聞こえてきそうです。
なので、本日はこれらについて一緒に学びながら、皆様にドーピング検査についてもっと知って頂こうと思います。
「ドーピング検査員」とはどんな人?
ドーピング検査員とはドーピング検査において、アスリートからの検体採取を担当する人のことです。
JADA(日本アンチ・ドーピング機構)の研修を受けて認定を獲得する必要があります。
検査員の中でもそれぞれ役割があり、先ほど話に出たDCOの他にDCOの指導や責任者の立場になるシニアDCO、採血業務を行うBCO(Blood Collection Officer)などが含まれます。
※上記の職種全て含めてDCP(Doping Control Personnel)と表記されます。
では今回募集がかかっているDCOは何をする人たちなのでしょうか?
これを学ぶために、ドーピング検査(大会期間中の尿検査)の手順についておさらいしようと思います。
ドーピング検査(大会期間中の尿検査)の手順
大きく分けて以下の手順があります。
- 通告と移動
- 採尿カップの選定
- 尿検体の提出
- 検体封印
- 書類確認
参考:尿検査の手順(ステップ)(© JAPAN Anti-Doping Agency)
1,通告と移動
検査を受けるアスリートは検査員より通告を受けます。
そのまま検査室へ行く場合もあれば表彰式やクールダウンを行ってから移動する場合もあります。ただし通告を受けてからはずっと検査員が同行しています。
2,採尿カップの選定
検査室入室後アスリート自身で採尿カップを選んだ後、DCO立ち会いのもと尿検体を採尿します。必要な尿量も決まっているので、基準に達するまで待ちます。
3,尿検体の提出 4,検体封印
その検体をサンプルキットに封入して比重が基準以上であることを確認します。
5,書類確認
最後に書類を確認し、使用している薬やサプリを申告したら終了です。
2020東京オリンピックでは事前研修時に上記手順を20分以内で行うよう指導があったようです。
別大会のことですがアスリートの経験談で
「競技終わりで尿が出ない」
「尿が薄いからやり直しになった」
と話している方もいたので、オリンピックでも対応が大変な部分もあったのではと推測されます。
そしてこの①から⑤の検査手順全てに関わるのがDCOです。
とても重要な役割と感じていただけたでしょうか。
少しでもこの仕事に興味を持った方はぜひJADAのHPをご確認ください。
ちなみに、DCOになるために薬剤師資格は必須ではありません。22歳以上で語学等の基準や勤務条件に合えば応募することができます。
この記事を機に少しでもドーピング検査について関心を持って頂けたら嬉しいです。
今回はここまでになります。
インフルエンザ等の感染症も引き続き流行しています。
体調にはくれぐれもご留意ください。
以上、シトロンでした。