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スポーツファーマシスト学習記録

第34回「サプリメント利用・活用コンセンサス2024」

こんにちは。スポーツファーマシストのシトロンです。

暑い日が続いていますが、みなさんいかがお過ごしでしょうか?

 

夏の暑い日は熱中症に注意が必要です。

総務省消防庁の報告によると、2024年6月24~30日の一週間で全国2,276人が熱中症で搬送されたそうです。かなり暑さが厳しいので、身体が慣れていない人も多いと思います。

個人差もありますが暑熱順化には数日から一週間かかるので要注意です。

 

上手く汗をかけないと、体に熱が溜まってしまう原因となり熱中症になりやすくなります。めまいや立ちくらみ、頭痛などいつもと違う症状が現れたらすぐに休むようにしましょう。

部活動など集団で活動している場合は、周りの人の様子がおかしいなと思ったら声をかけてあげてくださいね。

 

 

では今回のテーマに移ります。

 

本日は久しぶりにサプリメントのお話をしようと思います。

第15回の記事では実例をもとに色々とお伝えしました。

この時は中学生の例でしたが、実際関わっていく上で色んな例に遭遇しました。

 

アンチドーピングの観点から、私たちスポーツファーマシストにとっても学ばなければいけない重要な項目です。

そこで、2024年3月に日本スポーツ協会から出た

サプリメント利用・活用コンセンサス2024

という資料をご紹介したいと思います。

参照:JSPO(公益財団法人日本スポーツ協会)

 

この資料では、「サプリメントとは?」という質問に対する答えとサプリメントを使用する際に知っておかなければいけないことが記載されています。

 

アスリートからサプリメントに関する質問を受ける頻度は多いです。

なのでスポーツファーマシストにとっても必要な情報なので、参考にしていただければと思います。

 

この資料では

・アスリート向け

・指導者向け

・一般の人向け

の3種類が出ていて、その内容の詳細が記載されている解説書も出されています。

それぞれの項目を読んでいくと興味深い部分はあるのですが、気になったのはサプリメントのイメージに関する記載です。

 

 

「サプリメントは薬だと思いますか?」

という質問に対し、本来であれば

「薬ではない」

 

と回答してほしいところ、明確に理解しているアスリートは20%以下でした。

 

回答方法が「はい・いいえ」ではなく「強く思う(10)〜全く思わない(0)」から選ぶ方式だったので、5付近の「どちらとも言えない」という回答が高い割合であることも興味深いと思いました。

 

自信を持ってはっきりと答えられる質問ではなかったということでしょうか。

 

なぜこの認識をしっかりアスリートに持ってほしいのかというと、食品に分類されるからこそ注意しなければいけないポイントがあるからです。

 

前回サプリメントについて取り上げた際、「サプリメントは薬ではなく食品」だとお伝えしました。だからこそ、ラベルの全成分表示義務がなく、表示されていない成分が含まれているというリスクがあります。

 

アスリートは厳格責任があるので最終的には体内に入れたもの全てに責任を持たなければならず、知らなかったでは済まされません。

 

講習会を行う時は必ずこの内容を入れるようにはしていますが、まだまだ教育として伝え続けなければいけないと改めて思いました。

 

 

いかがでしたでしょうか。

毎回色々な内容を伝えるたびに、もっとたくさんの人にアンチドーピングの内容をきちんと伝える場が必要だと思います。

 

「餅は餅屋」という言葉がある通り、アンチドーピングに関する不安や質問はスポーツファーマシストに頼ってほしいし、サポートスタッフの中でもそれぞれの専門分野が専門性を持って対応できると選手の安心につながるなと感じています。

 

次回は少し今までと内容を変えたスペシャルバージョンにしようと検討しています。

現在企画構想中ですので、お楽しみに!

 

では、今回はここまで。

感染症も再拡大してきていますので、くれぐれもお身体に気をつけてお過ごしください。

以上、シトロンでした。