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今月のPickUpファーマシスト

第13回 Yukoさん(フリーダム薬剤師・旅ヨガインストラクター)

今月のPickUpファーマシスト

さまざまに活動、活躍されている薬剤師&薬学生の方のインタビューをたっぷりお届けします!

Yukoさん(フリーダム薬剤師・旅ヨガインストラクター)

兵庫県神戸市出身。約2年半の調剤薬局勤務を経て退社後、国内外さまざまな場所を旅した経験を持つ。
現在はフリーダム薬剤師として旅のPR 活動、商品開発など多方面で活動中。

「○○しなければいけない」呪縛から一転、
自由に旅するフリーダム薬剤師に。

―薬剤師を目指したきっかけからこれまでのご経歴について教えてください。

安易ですが昔から化粧品に関わる仕事に興味があったことと、母親の勧めもあり薬学部へ進学しました。新卒で地元の調剤薬局に就職し約2年半働いたのち退職、国内外さまざまな場所を旅しました。
その後製薬企業で1年、調剤薬局でのパート勤務を5年経験し、現在は東京で旅関連のPR活動を中心に薬剤師の経験を生かした商品開発など、フリーダム薬剤師として働いています。

 

―とても華やかでフットワークが軽い印象のYukoさんですが、最初から自由な働き方を目指されていたのですか?

むしろその逆で、「こうしなければならない」という固定観念や視野の狭さは人一倍強かったかもしれません。「仕事は辞めてはいけない」とも思い込んでいたので、海外へ行きたい・窮屈な環境から抜け出したいという気持ちがありながらもなかなか辞められませんでしたし、海外へ行くにも「何か目的がないといけない」と思い込んでいたので、CAになるために英語を学ぼう、海外へ行こう、と理由付けしてみたり。仕事を辞めて「これからは好きなことをやるぞ!」と決心してから軽くなりましたね。

 

―「こうしなければいけない」という気持ちが強いと、それまでと違う働き方や過ごし方を決断すること自体にかなりのエネルギーが必要だと思うのですが、それはいかがでしたか?

確かにそうですね。私も退職の意向を伝えるのを2年くらい渋ってしまいましたが、そのスイッチが入った、ある意味ターニングポイントになった出来事に背中を押されました(笑)
でもそんな自分の経験が、今活きている気がします。いろんな薬剤師さんがもっと多様に活躍できるようサポートしているのも、過去の自分に必要だった人になりたいと思いながらやっています。

 

―退職後は約1年旅に出られました。このときのことについて教えてください。

3か月アメリカへ短期留学に行ったり、日本を縦断してみたり、大好きな沖縄へ行ったり……自分の気が向くままにいろんなところへ旅に行きました。夫と出会ったのもそのときですし、宮古島へ旅した際に出会ったSNS 講座をされている女医の方がいるのですが、その0期生に誘っていただき、私もInstagramをやり始めました。それがきっかけで旅のPR 案件を頂けるようになりました。大好きな旅を仕事にすることが叶いましたし、この経験は大きな転機でしたね。

ただ、旅を終えたときの感じは案外スカッとしたものではなく、むしろアメリカ留学から帰ってきてからは、「何をしたらいいかわからない」空っぽの状態になってしまったんです。どうしよう……と実家のソファから動けない時期が2か月くらいありました。その間になんとなくTOEICを受けたり、また宮古島へ行ってみたり。

そうやって少しずつ重い腰が上がっていき、転職活動もするようになりました。そのときは、もう調剤薬局では働きたくないと思っていたので(笑)、外資系航空会社、製薬会社、出版社……幅広く受けて、縁とタイミングのあった製薬会社へ入社しました。そういえばOLもやりたかったなと思っていたので、それも叶って嬉しかったです。

 

―ヨガとの出会いについても教えてください。

ヨガをし始めたのは、結婚を機に愛知に引っ越してからでした。知り合いがいなかったので、調剤薬局で週3日パートとして働きながら週2回近所のヨガスタジオに通っていました。そこでインストラクターの講座を紹介され、研修に参加して資格を取得しました。現在はプライベートで1:1のレッスンを行っています。旅先でヨガをすることも多いですよ。エクササイズに見られることが多いのですが、ヨガの根本は哲学なのでとても奥が深いです。

愛知には約6年居ましたが、薬剤師として働きながらインスタで旅の投稿をしたりヨガをしたり、とても充実していました。

ヨガがきっかけで興味を持った予防医学と薬剤師としての関わり方。

―予防医学にも興味がおありということですが。

これはヨガを始めてからですね。ヨガを始めるまでは運動は一切していませんでしたし、料理はするものの栄養学に特段興味があったわけでもなく。でもヨガをやっていると、無添加に興味がある人、あまり薬に頼らず自然に心身の調子を整えたい人など健康意識の高い方が周りに多くて、そこから興味を持ちました。

少しモヤっとするのが、こういうお話をすると、中にはすごく極端な方もいらっしゃるんです。例えばですが、ヨガをして栄養に気を付けていれば薬は要らない、みたいな。どちらも知っていることが大事だと思うので、きちんと医療を知っている薬剤師が予防医療を勧めることは価値のあることだと感じます。薬学の知識を積んできたことが信頼にも結び付きますしね。

―予防医学の分野でチャレンジしてみたいことはありますか?

大きな夢の一つですが、ウェルネス施設を作りたいと思っています。ヨガ、漢方、ピラティス、無添加の食品販売など……予防医学に関連することを1つの施設でいろいろ体験できるような場所があるといいなと思っています。
都市部でやりたい気持ちもありますし、イタリアでいうアルベルゴ・ディフーゾのような、空き家を活用してここはヨガ、あそこでは瞑想、カフェ……と町全体を観光地化するのも楽しそうですよね。私は旅も心の健康だと思っています。あと、朝ごはんカフェもしてみたいです!

――その他今後の活動の展望について、お聞かせください。

いろんなことをやっている自由な薬剤師がもっと増えたらいいなと思っていて、去年からオンラインイベントをやっています。例えば1回目はヨガ×薬剤師、2回目は漢方薬剤師、3回目は食×薬剤師をテーマに、いろんな活動や働き方について聞けるイベントで毎回好評いただいています。

イベントをしているといろんな能力や特徴を持った薬剤師さんがいるので、その方たち同士を繋げていきたいですね。私一人で何かを頑張るよりは、世の中の薬剤師さんが活躍できる土台を作って、サポートできたらいいなと思っています。

視野を広げることは、難しいことじゃない!

―ずばり、Yukoさんの仕事のテーマを教えてください。

「楽しいかどうか」ですね!(キッパリ) この人とこの人を繋げたら面白そうだなとか、旅のPRの仕事も自分が楽しいと思えるところしか興味を持てないですし、ヨガも、ストイックになり過ぎず自分が楽しいと思える範囲でやっています。

 

―最後に、勉強やお仕事にモヤっとした気持ちをお持ちの読者へ一言お願いします。

視野を広げるために、行動パターンを変えてみることをオススメします。全然難しいことではなくて、例えばたくさんあるオンラインイベントの何か一つに参加するだけで、何かしら違う視野を持てると思います。

そもそも視野が狭いことに気付いていないと思うので、それに気付くことがモヤモヤを晴らす第一歩だと思います。私もまだまだ、視野を広げていきたいと思います!

 


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