砂糖で美肌を保つ？！―秋は肌のダメージ対策を―｜WEBコラム

インタビュー｜2024/10/07

砂糖で美肌を保つ？！―秋は肌のダメージ対策を―

幟立眞理さん

一般社団法人日本ベビースキンケア協会代表理事
株式会社アビサル・ジャパン代表取締役

愛娘のアトピーを治したいという思いから、白糖のもつ薬効薬理に着目し、肌に安心安全な砂糖のスキンケアを開発。

1998 年　ニューヨークに事務所を開設
2002年　自身の企画商品で東京国際ギフトショーにてグランプリ受賞　　　　
米国の大手化粧品原料メーカーのマーケティングディレクターに就任
2003 年　シュガースクラブ完成。米国特許取得

暑い夏を乗り越えやっと涼しさを感じられるようになりました。
ただ、涼しくなったからといって油断大敵なのがこれからの時季現れはじめる肌トラブル。
夏に受けた紫外線のダメージや冷房での乾燥ダメージはニキビやシミ・シワとして秋に肌表面に現れはじめます。

表面化した肌トラブルは定着させないためにも早めの対処をすることが大事。肌のターンオーバーを促して新しい健康的な肌に生まれ変わらせましょう。

ではターンオーバーを促すにはどのようにすればよいのか。
方法として、生活リズムの改善やバランスの良い食事など身体の内側からケアするイメージなことが多いですが、実は外側からのケア方法としてあの身近な砂糖が活躍します。

そんな砂糖の魅力について一般社団法人日本ベビースキンケア協会代表理事の幟立眞理さんにお話をお伺いしたのでお伝えします！

なぜ砂糖が肌にいいの？2 つの薬効

薬剤師のみなさんはご存じの方も多いと思いますが、白糖は褥瘡の治療薬（イソジンシュガーパスタ軟膏、ユーパスタなど）の主成分として使用されています。これは砂糖による2つの主な薬理作用から成るものです。

砂糖の薬理作用

①傷の治癒
砂糖には菌が生存できない環境を作り、死滅させる効果があります。また、患部に塗ることで浸透圧の上昇によるむくみ軽減で腫れをやわらげ、線維芽細胞の活性化が起こり、傷を治してくれます。

②保湿
砂糖には親水性と保水性があり、角層に水分を引き込むことで肌にうるおいを与えます。また、①に登場した線維芽細胞は活性化の際にコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸がつくり出されます。これらは肌にうるおいやハリ、弾力をもたらす保湿成分となります。
この薬理作用に着目し、砂糖の肌への可能性について研究を進めました。

砂糖なら老若男女問わず使用可能

グラフをご覧いただくとお分かりの通り新生児は肌のバリア機能があるためきれいな状態ですが、2、3ヵ月するとバリア機能がなくなってしまい皮膚も薄いため乾燥肌となり乳児性湿疹が出てきてしまいます。
また、産まれてすぐ石鹸で肌を洗われるとその時点でバリアが0の状態になってしまうということも学会で発表されています。

これらのことをふまえ、2007年から乳幼児のスキンケアに関する研究にて砂糖によるスキンケア、シュガースクラブの効果についての検証をスタートしました。

そこでは「保湿効果があり、植物性で安全な面から乳幼児のスキンケアにシュガースクラブは有効である」と示唆され、そこから2016年にはNICUにて低出生体重児のスキンケアにおいて、「シュガースクラブは皮脂量を増加させるとともに、バリア機能を高める効果がある」とされました。

この検証結果から、乳幼児同様の表皮脂質量である高齢者にも有効なのでは？と高齢者のケアにも使用しやすいスプレータイプ（カラダキレイ）を開発。肌トラブルを抱えていた方に使用試験をしたところ有用性が確認されました。（下記参照）
これらより砂糖のスキンケアはバリア機能が低下していたり、水分や皮脂量が少なかったりというような肌が弱い状態の方でも安心して使用できるものと裏付けられました。