宮本社長、教えて! 新卒薬剤師が持つべき 12ヶ月の心構え |
3月のアドバイス「夢をかなえていく。」
もうすぐ薬剤師になって1年ですね。
来月から新入社員が入ってくる会社もあると思います。そうなれば一番下の立ち位置から、先輩になります。
後輩に自信をもって仕事を教えることは可能でしょうか?
後輩の質問にきちんと答えることは可能でしょうか?
後輩からも頼られる、よく相談されるようになれば、この1年の頑張りが実を結んでいるということでしょう。
それを踏まえて、12ヵ月目の今回は2年目以降に必要な
「夢をかなえていく」
ことに関してお伝えします。
好きな事、得意な事を見つけていく
1年間薬剤師として勤務し、その中で自分の好きな業務、得意な分野など何となくでもわかってきたかと思います。
得意を伸ばしていくことも、苦手な分野も克服することも大事です。
好きな業務、得意な分野のスキルをさらに伸ばす心構えは、モチベーションの向上にもつながり、いずれ自分自身を必要としてもらえる手段でもあります。加えて苦手を放置すると頼りないと思われることもあるため、得意、不得意相互に注力し、自身の才能、能力を向上させていきましょう。
この先の目標をなるべく具体的に決めていく
薬剤師として1年が経過しようとしていますが、この1年は仕事を覚えることで精一杯だったと思います。徐々に気持ちに余裕が出てきたタイミングで、自分は何をしたいだろうか、将来的にはどの業務を行いたいか、何が自分に合っているか等考えてみてください。
時間の経過とともに少しずつ見えてきている方もいるかと思います。
それをより具体的にすることで、目標も定まってきます。目標は1つではありません。いくつあっても良いです。多くの目標が絡み合って1つの大きな目標を達成します。そこからまた新しい目標が発生します。
たくさん種を植える
目標が多いほうが良いということは、多くのところに種を植えるようなものです。何もないところからは何も出てきませんし、種を植えなければ芽は出ません。その芽はいつ出るか分かりません。芽が出た時はすぐに気付く事、その芽を大切にすることが肝要です。
運が良いという方や成功をされている方は、植えた種がとても多く幅広く、その芽の大切さを十分に理解されている方です。何もされていない方にとっては些細な出来事であっても、多くの種を植えている方にとっては凄くチャンスな出来事だと認識する事が多いです。
それは運が良いということでも、才能が突出している方というわけでもありません。
その出来事が大事かそうでないか、前に植えた種が芽生えたと判断したことによるものだと考えています。
種を植えるためには適した土壌が必要
種を植える事が大事と述べましたが、むやみやたらに種を植えるだけでは良い芽は出ません。植える土壌が種に適切な状態かどうかが重要です。
ここでいう土壌とは自分自身の能力や努力と捉えてください。
薬剤師1年目に事業譲渡やM&Aに種を植えたとしても、なかなか芽は出てきません。高条件を狙って転職サイトに種を植えたとしても、期待通りの案件は難しいでしょう。
それは、土壌が整っていない、整備されていない事が要因です。
良い土壌にするためには、自分自身の付加価値、能力の更なる向上、コミュニケーション力、目標の有無が必須です。そこを整備していくことで土壌が整い、発芽しやすく、良い芽になる確率が高くなります。
良い土壌にすること、そこにたくさん種を植えることを、2年目以降は実行することをお勧めします。
1日、1時間、1分を大切に
良い土壌を形成するにはどうしても目標が必須です。
目標がなく、淡々と日々を過ごすのではなく、1日、1時間、1分に自身で価値を与えることで、時間の概念が変わります。
私のコラムでは時間の重要性を何度も記載してきました。時間は有効かつ有用に使うと良い土壌を形成しますが、時間を無駄に使えば変化のない土壌のままです。
何を目標にするか、どのようになりたいか、自分の夢は何か。
それらは優先するものは何かによります。
仕事よりも趣味を大事にする方もいます。
仕事よりも時間に縛られないゆとりのある生活を望む方もいます。
少し厳しい表現ではありますが、何もせずにそれらを得ることはなかなか難しいです。
趣味が大事、時間に縛られないゆとりのある生活を望む、であれば仕事は何のためのものでしょうか?
「ただ単にお金を稼ぐ手段」
「働けと言われているから働いている」
ならば仕事の努力は必要ないかもしれません。
ですが、その考えが周囲の知ることとなれば、会社や職員はどのようにとらえるだろうか。居心地が悪くなるだけかもしれません。
今後薬剤師業界でも競争社会になるため、上記の行動で信頼を失うことは自身の損失が計り知れません。
上記の目標を実現するのであれば、それなりの経験・努力が必要となります。努力なくして楽をするのは、それまで多くの経験、多くの苦労をしたうえで得ることが出来ます。
初めは苦労するかと思いますが、それを乗り越え色々経験することで業務を効率的に行うことが出来るようになり、ゆとりが生まれ趣味に費やす時間が増えてきます。
2年目以降はさらに頑張る時
まだ薬剤師歴1年です。薬剤師人生はこれからまだまだ続きます。
2年目以降はさらに頑張る時期です。
どんな薬剤師になりたい、どんな人間になりたい、どんな人生を歩みたい等これからも考えながら1日1日を大事にしていってください。
最後に
12ヵ月のコラムで、私の考え、目標の大切さ、時間の大切さを記載してきました。今はまだ理解できない点や、納得がいかない点、実行できない点があるかもしれません。
2年目に4月からのコラムを読み返してみてください。きっと、最初とは印象が異なっていると思います。目標の必要性や時間の大切さ、今出来る事も違った目で見ることが出来るでしょう。
2年目以降であっても、本コラムを読み返し、自分自身を再認識し、後輩の育成、指導にお役立ていただけると幸いです。
12カ月間お付き合いいただき、誠にありがとうございました。
また、本コラムに関わってくださったすべての方々に心より感謝申し上げます。
以上
記
株式会社MSファーマシー
代表取締役 宮本誠二