薬学×付箋ノートBOOK著者 くるみぱんの薬学ノートと日常メモ |
第15回「吸入器の特徴」
今回は気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患(COPD)などに用いられる吸入器についてまとめました。
まず、pMDI(吸入エアゾール剤)とDPI(吸入粉末剤)、SM I(ソフトミスト吸入剤)の特徴についてです。薬剤師国家試験の実務の範囲でも重要ですね。
pMDI
ガスの圧力で薬剤を噴霧するタイプです。容器をよく振ってから深くゆっくりと吸入します。吸う力の弱い小児や高齢者に適しています。ただし、ボンベを押すタイミングと吸入のタイミングを合わせなければなりません。それが難しい場合にはスペーサーを使用すると、スペーサーの中に噴霧された薬剤が一旦貯まるので、普通の呼吸を数回繰り返すことで吸入ができます。また、高齢者などで指の力が弱く、ボンベをしっかり押すことができない場合は、補助器具を用いることで弱い力でも楽に押すことができるようになります。
DPI
粉末の薬剤を自力で吸入するタイプです。吸入にはある程度の吸気速度が必要なため、できる限り勢い良く吸入しなければならず、乳幼児や高齢者では吸入が難しい場合があります。pMDIとは異なり、吸入タイミングの同調は必要ないため、吸う力さえ問題なければ吸入しやすい製剤と言えるでしょう。デバイスの種類が多いのも特徴です。
SMI
薬剤を含んだやわらかく細かいミストをゆっくり生成し、持続的に噴霧するタイプです。自然な呼吸で吸入できるので、特に肺の機能が落ちている患者にとって有効成分を効果的に肺に送ることができます。ただし事前にカートリッジの挿入が必要で、個人的にはかなり力がいる作業なので、高齢者が自分でセットするのは大変そうと感じます。
続いて、実際の製剤でどのデバイスがどのタイプに属するのかまとめました。画像に書かれた製剤のイラストの形を参考にしてみてください。
pMDI
アドエア、フルタイド、フルティフォーム、キュバール エアゾール
オルベスコ、サルタノール インヘラー
メプチンエアー、メプチンキッドエアー
ベロテック、アトロベント エロゾル
ビベスピ、ビレーズトリ エアロスフィア
DPI
シムビコート、パルミコート、オーキシス タービュヘイラー
アズマネックス ツイストヘラー
アドエア、フルタイド、セレベント ディスカス
アノーロ、レルベア、テリルジー、アニュイティ、エンクラッセ エリプタ
フルタイド、セレベント ロタディスク
メプチン スイングヘラー
エクリラ ジェヌエア
スピリーバ ハンディヘラー
アテキュラ、オンブレス、ウルティブロ、シーブリ、エナジア ブリーズヘラー
SMI
スピリーバ、スピオルト レスピマット
最後にこれらの薬剤を作用機序ごとに画像のようにまとめてみました。
適応や用法についても今後まとめたいと思います。