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スポーツファーマシスト学習記録

第17回「P1 β遮断薬に関する変更点」

明けましておめでとうございます。新米スポーツファーマシストのシトロンです。新しい年が始まりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。

 

2023年最初の記事なので、今年の抱負をここで宣言しようと思います。

①スポーツファーマシストの存在をもっと多くの人に知ってもらう

②毎日1つスポーツ関連の気になる話題を調べて知識を増やす

③この記事を続けて、「新米」を卒業する!

 

①はあまり具体的な目標ではありません。けれど何個か頭の中にイメージしていることはあるので、実際に実現したらここでご報告させていただきます。

この記事は2年前の夏からスタートしました。正直なところ、長く続けられると思っていなかったのですが、応援してくださる周りの方々に支えられてここまで来ました。

今年も今まで同様、少しでも役に立つ情報をお届けできたらと思います。これからもよろしくお願いします。

 

本日は久々に講習会の話題をお届けします。

アンチ・ドーピング規定は毎年1月1日に新しい規定が出されます。それに伴い、毎年1月初旬から約2週間スポーツファーマシスト全員を対象とした講習会がオンラインで開かれます。今回はその講習会の内容、さらに今年の注意点についてお伝えします。

 

今年は禁止表国際基準の中から7分類について変更がありました。そのほとんどが新たな禁止物質の追加でした。日本で医薬品として承認されていなくても、サプリメントに含有されている可能性があるため追加されている物質もあります。

サプリメントは食品なので、全成分が表示されているわけではありません。必要なときはアンチドーピング認証マークが付いている商品を選ぶことを推奨します。

 

私が今回注目したのは、P1 β遮断薬に関する変更点です。

私たちは運動時や緊張状態など交感神経の働きが活発になると、心拍数上昇や震えなどが生じやすくなります。これらを抑える役割を果たすのがβ遮断薬です。

この流れが競技成績に大きく影響するスポーツがあります。それがアーチェリーや射撃など一点集中を必要とする競技です。禁止される競技は禁止表に記載されており、今年から新たに「ミニゴルフ」が追加となりました。

……えっミニゴルフ?

正直、初めて聞きました(関係者の方々、申し訳ありません)。これを機にミニゴルフという競技について調べてみることにしました。

ミニゴルフは、1920年頃ゴルフ発祥の地イングランドでパター練習用に生まれた競技です。これがスウェーデンに入り「バーンゴルフ」としてヨーロッパ各地に広がりました。ヨーロッパでの競技人口は2,000万人を超え、世界選手権やアジア選手権も開催されています。

簡単に紹介すると、ミニゴルフとはフェルト布やコンクリート等で作られた18ホールの障害物コースをパターゴルフのように周り、合計スコアを競う競技です。スコアの数え方はゴルフと一緒ですが、コースによってボールを使い分けたり1ホール6回までしか打てなかったりと独特なルールが存在します。なんだかものすごく奥が深そうな競技です。

日本だと横浜に公認コースがあるので、もしご興味のある方はチェックしてみてください。

 

実は、β遮断薬は錠剤だけではありません。眼圧を下げる目的で緑内障治療のため点眼薬として使用されています。点眼薬は局所使用であると考えられ、他の項目では例外として認められることが多いです。

しかし、β遮断薬に関してはどのような剤形であっても禁止となります。どの項目についても例外があるわけではないので、該当する競技のアスリートの方々は本当に注意していただきたいと思います。

 

それでは、今回はこのあたりで。新年1発目の記事、いかがでしたでしょうか?

寒い日が続いています。体調には気をつけてお過ごしください。今年も皆様にとって良い年となりますように。

以上、シトロンでした。