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スポーツファーマシスト学習記録

第19回「競技別検査実績報告書について」

こんにちは。新米スポーツファーマシストのシトロンです。

少しずつ暖かくなり春の陽気になってきました。皆さまいかがお過ごしでしょうか。

 

春は出会いの季節であり別れの季節でもあります。4月から新たな環境にチャレンジする方もいらっしゃるでしょう。

新しいところへ踏み出すのは勇気のいることだと思います。けれど、その一歩を踏み出した先に素敵な出会いが待っているはずです。その人だけの特権ってやつですね!

 

私もここ数年いろいろな新しいことに挑戦しました。スポーツファーマシスト資格取得もその一つです。最初は正直不安で大変なこともあったけれど、今はあのとき挑戦できて良かったなと心から思っています。競技会の使用薬物調査などスポーツファーマシストの資格を持っていなければ出会えなかった仕事もすることができています。私たちが関わることで選手が安心して競技に取り組めることがこの仕事のやりがいかな、なんて思っています。まだまだ頑張らなきゃ!

 

と、私の話はここまでにして。

今回は「競技別検査実績報告書」をご紹介します。

スポーツファーマシストの勉強をする際、ドーピング検査の方法や禁止薬物については学ぶ機会が多いと思います。けれど実際ドーピング検査がどのくらい行われているのか気になりませんか?

 

そんな疑問に答えてくれるのが「競技別検査実績報告書」です。

JADAのHPには、令和5年3月現在、平成17年度(2005年度)〜令和3年度(2021年度)までの報告書が掲載されています。

https://www.playtruejapan.org/code/violation/testing.html

 

報告書には60以上の競技団体でその一年間行われた検査件数が載っています。

ちなみに、上記URL内「2021年度/令和3年度 ドーピング検査実施統計」PDFの表の右上に載っているICT・OOCTとは、ICT=競技会内検査(競技会で実施される検査)、OOCT=競技会外検査(競技会に関係せず行われる検査)のことです。OOCTは国際競技連盟(IF)またはJADAが設定した検査対象者登録リスト(RTP)に登録された、トップクラスの選手が対象となります。

 

ここで一番最新の令和3年度の報告書を見てみましょう。

ICT・OOCT両方でもっとも検査件数が多いのが陸上競技です(ICT365件、OOCT503件)。

けれど一口に陸上競技と言っても、その中には短距離・長距離や跳躍、投擲(とうてき)などさまざまな種目が含まれているため、一概に多いとは言えないのではないかと思います。

令和3年度OOCTの件数が486件と2番目に多かったのがサッカーでした。正直そこまで検査数が多いイメージがなかったので過去5年間を遡ってみると、もっとも多い年で平成31年度の147件でした。この時期はFIFAワールドカップカタール大会の予選が行われていた時期と重なっているので、もしかしたらその影響もあるかもしれませんね(あくまでも個人的な推測です)。

JADA管轄での検査総数は令和3年度で5251件ありました。私は正直「結構多いな」という印象を受けました。もちろん競技団体によって大きく差はありますが、OOCTだけでも2036件、この数字を365日で割ると1日に約5人が検査を受けている計算になります。OOCTは各競技のトップ選手が対象の検査になりますが、大会に関わらずこんなに多くの検査が行われていることを知りませんでした。

報告書にしっかり目を通してみると結構面白いので、興味がある方は是非ご参照ください。

 

それでは本日はこのあたりで。

季節の変わり目は体調を崩しやすいと言われています。無理せずしっかり睡眠・栄養補給を忘れずにお過ごしください。

以上、シトロンでした。