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成功者に聞く 薬剤師の独立開業って?

番外編 M&Aで独立を検討する際に、 確認するべきポイント

今回は、M&Aで薬局を引き継ぐ場合に仲介会社から提供のある「案件概要書」の見方についてご紹介させていただきます。

独立支援をしているM&A仲介会社に登録する場合、新規開局やFC 運営でのお話もありますがM&Aでの独立がほとんどです。
仲介会社からの案件については、スピード感をもって判断していくことが重要になってきますので、ご自身の判断基準をしっかり持って案件の検討をするようにしましょう。

案件概要書の見方

 

Point

①ストラクチャー

大きく分けて事業譲渡・株式譲渡・新規開局・FCの4種類があります。
ユニヴから独立する人は事業譲渡が多く、8割程です。それぞれの特徴やメリットデメリットは簡単に把握しておきましょう。


②譲渡理由

店舗売却の理由としては、店舗整理、後継者不在、遠隔(飛び地)の店舗で管理・人材確保が難しいなどがあげられます。不採算のための店舗整理、人材の管理が大変であることで店舗の切り離しのご相談を受けることが多いです。

 

③譲渡価格

事業譲渡で承継する場合、譲渡価格として営業権・固定資産・薬在庫の合計を譲渡額として取引します。各項目については下記の通りです。

 

営業権はEBITDA(営業利益+減価償却費)の3年分を指標として譲渡価格を算定することが多く、薬剤師が独立する場合の案件は、0~1,000万円くらいが多いです。ドクターの年齢や立地などによる将来の売上増加への可能性によって何年分になるかは変わってきます。


固定資産は土地、建物、車、調剤棚、デスク、イス、PC、分包機のような機材設備などがあげられます。一般的に譲渡時の帳簿価格で買い取ります。長年経営している場合は償却期間が長くなるので固定資産は低く開局から間もない場合は高くなります。また、土地や建物が自社所有の場合は、値段が大きく上乗せされます。

 

薬の在庫代
店舗にある薬の在庫を引き継ぎます。譲渡実行日の前日に棚卸を行い、商品数を確定し、譲渡前に定めた算定方法に従った価格にて取引します。
※ 売主に支払う譲渡価格としては、上記の通りですが初期費用としては下記のような項目も必要となります。

  • 仲介会社手数料
  • 賃貸の場合、家主に支払う保証金・敷金・礼金
  • 開業後の運転資金(調剤報酬は2ヶ月後に振込されるので少なくとも2ヶ月分の運転資金)

 

④譲渡日

譲渡決定後、3ヶ月で開局になるケースが多いです。スピードを重視する案件も多いので、すぐに決断行動できるようにしておきましょう。


⑤従業員の引継ぎ

案件によって条件は様々です。従業員全員を引き継いでほしいという意向であれば自身が管理薬剤師として入ると余剰になるため注意する必要があります。

患者さんの状況や薬局の細かな業務を把握している事務員を引き継いで働いてもらった方が、運営しやすい場合が多いです。

 

Point

<従業員適正人数>

処方せん回数に対して従業員数が適正であるかを確認しましょう。人数が余剰で従業員を引き継がない場合、人件費が削減できる場合もあります。

 

<施設基準>

施設基準の届出状況についてどの加算を取得しているか記載しています。調剤基本料3を取得している大手調剤薬局店舗を個人が引き継ぐ場合、調剤基本料1に変更になるので技術料アップが見込めます。また、地域支援体制加算と後発医薬品調剤体制加算が取れていなくて、今後取得可能な環境である場合、譲受後自身の努力次第で収益アップが見込めます。

 

<家賃>

固定費となる家賃は重要で、初期費用となる敷金・礼金についても確認する必要があります。

 

<処方せん回数推移>

処方せん回数は増えてきているのか、減ってきているのか、季節によって変動はあるのかなどに着目します。回数が極端に減っている月があるときは原因も確認しておきましょう。

 

 

 

Point

独立して資産管理をしていく際に必要となるので、決算書の見方を理解しておきましょう。


<各項目の説明>

売上高……調剤報酬とOTC売上高
売上原価……医薬品仕入高
売上総利益……売上高―売上原価
販売費及び一般管理費……人件費・光熱費・リース料等
営業利益……売上総利益―販売費及び一般管理費


・ 販売費および一般管理費の項目をチェック
自身が引き継いだときに不要となる経費はないか確認します。(例:突発的な人材派遣料、人材紹介料、本部経費など)

 

まとめ

店舗の現状を把握するだけでなく、自身が経営したときの収益性や伸びしろを確認し、自身の理想とする薬局を作ることができるかを考えることが大事です。


収益の大きい薬局は、営業利益が高い分、譲渡額が高くなります。自己資産と照らし合わせて譲受可能な案件を探しましょう。

 

 

 

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