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薬学×付箋ノートBOOK著者 くるみぱんの薬学ノートと日常メモ

第28回「脂質異常症の治療③ エゼチミブと配合錠」

数回にわたってまとめている脂質異常症関連の記事も今回でラストと前回言ったのですが、長くなってしまったのでまだ続きます!

今回は小腸からの吸収を抑えるエゼチミブとエゼチミブを含有している配合錠についてです。

小腸コレステロールトランスポーター阻害薬

  • エゼチミブ

小腸から食事や胆汁由来のコレステロールを吸収する役割を担っている小腸コレステロールトランスポーター(NPC1L1)を阻害することで、血中のコレステロールを低下させる薬です。脂溶性ビタミンの吸収には影響を与えずにコレステロールの吸収を選択的に阻害します。用法は1日1回10mg食後となっており、朝昼夕どのタイミングでも効果に差はみられないので、生活習慣に合わせた用法の選択が可能です。また、食後と指定されていますが、空腹時に投与した場合もAUCに明らかな変化はなく、食事の影響はないとされています。

エゼチミブの効果についてみてみると、単独の投与でもLDLコレステロールを約18%低下させることができます。スタチン系と併用するとさらに効果を高め合うことができます。ただし、重篤な肝機能障害がある場合はスタチン系との併用は禁忌です。また、増減幅は少ないですがトリグリセリド減少、HDLコレステロール増加の作用もあります。

 

エゼチミブにはスタチン系との配合剤が複数あります。

  • アトーゼット配合錠

エゼチミブとアトルバスタチンの合剤です。アトルバスタチンを5mg含有するものがLD、10mg含有するものがHDです。1日1回1錠食後に服用します。アトルバスタチンを服用していて効果不十分な場合やエゼチミブとアトルバスタチンどちらも服用している場合に切り替えを検討します。

エゼチミブ単独で服用している状態からいきなり配合錠へ切り替えることは推奨されていません。また、エゼチミブもアトルバスタチンも一包化可能ですが、配合剤では光や酸化を避けるため服用直前にPTPシートから取り出すこととなっており一包化がオススメされておりません。

 

  • ロスーゼット配合錠

エゼチミブとロスバスタチンの合剤です。ロスバスタチンを2.5mg含有するものがLD、5mg含有するものがHDです。1日1回1錠食後に服用します。アトーゼット同様、エゼチミブ単独での服用からの切り替えは推奨されていません。また、一包化に関してもアトーゼット同様でおすすめされていません。アルミニウム袋開封後は湿気を避け、光も避けるために服用直前にPTPシートから取り出すこととされています。

 

  • リバゼブ配合錠

エゼチミブとピタバスタチンの合剤です。ピタバスタチンを2mg含有するものがLD、4mg含有するものがHDです。1日1回1錠食後に服用します。アトーゼットとロスーゼット同様、エゼチミブ単独での服用からの切り替えは推奨されていません。ただし一包化に関しては他の合剤と異なり、「服用直前にPTPシートから取り出すこと」という記載がないため可能と判断できますが、湿気を避けて遮光保存する必要があります。

なお、リバゼブは2022年11月に薬価収載されたばかりの新しい薬ですが、既存成分のため新薬としての投与日数制限はありません。

 

エゼチミブ関連の薬についてまとめました。次回こそ脂質異常症ラストの予定です!

【参考】

各インタビューフォーム

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