スポーツファーマシスト学習記録 |
第18回「現場でのスポーツファーマシストの立ち位置」
こんにちは。新米スポーツファーマシストのシトロンです。
2月も後半になりました。もうすぐ春ですね。
季節の変わり目は体調を崩しやすいと言われていますが、その症状は人によってさまざまです。私はこの時期に外でスポーツをすると鼻詰まりが辛くて、口呼吸になってしまうことが悩みです。花粉症ではありません。実はこれ「寒暖差アレルギー」なんです。
医学的な別名を「血管運動性鼻炎」と言い、寒暖差によって鼻の粘膜の自律神経のバランスが崩れ、症状が起こると考えられます。アレルギー性ではないので目の痒みや充血などは生じません。
症状の予防には温度差をなるべく少なくして血流をよくすることが重要です。例えば、運動する前にしっかりウォーミングアップをする、マスクで鼻に冷気を通さないようにする、などの対策があります。私はウォーキングなど軽い運動時にマスクをすることを実践しています。症状が辛い方は一度耳鼻咽喉科を受診してみることをお勧めします。
さあ、ではここからが本題です。
今回のテーマは「現場でのスポーツファーマシストの立ち位置」です。
スポーツ現場には多くのスタッフが関わっています。プロチームになると何十人ものスタッフがチームの勝利のために働いています。そこで今回は、どのような方々が携わっているのか、そこで私たちスポーツファーマシストはどのように活躍できるのかについて考えていきたいと思います。
みなさんはスポーツ現場のスタッフというとどんな役割の人を思い浮かべるでしょうか? 監督、チームマネージャー、コーチなどなど……いろいろな立場の方がいらっしゃいますよね。
チームスタッフはそれぞれの役割によって大きく分類されており、私たちスポーツファーマシストはメディカルに分類されます。メディカルには医師・理学療法士・柔道整復師・鍼灸マッサージ師・心理士・管理栄養士・ATなどが所属しています。主な役割は選手のコンディショニングや障害・外傷の対応、健康管理です。病院だけでなくスポーツ現場でもチーム医療が行われている、と考えればわかりやすいでしょうか。
私が特に大事だなと思っていることは、それぞれの職種の得意分野を理解することです。例えば、柔道整復師であれば脱臼したときにすぐその場で整復することができます。選手の相談に対して一人でできることは限られています。だからこそメディカルスタッフ内でコミュニケーションを取り合い、必要な時に必要なスタッフに繋ぐことが重要です。
ただ、チームによっては人数的に多くのスタッフを抱えることができない場合もあります。そのときは一人で複数の役割をこなさなければなりません。
私も現場に行くと選手から食事やサプリについての質問を受けることがあります。本来であれば管理栄養士がいらっしゃれば良いのですが、残念ながら全ての現場にいらっしゃらないのが現状です。なので、学部や勉強会での学びで得た知識からアドバイスを行い、もし不明点がある場合は知り合いの栄養士に相談し回答することもあります。
スポーツファーマシスト=アンチドーピングのイメージが強いですが、薬剤師としての知識は他の場面でも役に立ちます。私が一番実感したのはOTCについてです。
スポーツと言うとどうしても怪我や外傷に目が行きがちですが、実際は鼻水や頭痛など内科的な症状を訴える選手もいます。その中には仕事が忙しくて受診できず、OTC医薬品で対処している場合もあります。外科的疾患にアプローチできるスタッフは多いですが、内科的疾患に対して声掛けができるスタッフは意外と少ないです。使用薬がドーピング禁止物質に該当しないかチェックするのはもちろんのこと、症状を確認し必要な際は選手への「受診勧奨」を行うことが私たちスポーツファーマシストの役割の一つではないかと思います。
これで今回の内容は以上となります。いかがでしたでしょうか?
あくまでも自分が経験している範囲内での話なので、実際はいろいろなパターンがあると思います。どんな状況でも選手に対してしっかりと対応できるのが理想ですよね(私はまだまだなので偉そうなこと言えませんが……)。
それではまた次回!シトロンでした。